公園とか河原の土手なんかでフレームドラムの練習をしていると、興味を持ったひとからよく声をかけられる。
でいろいろ訊かれるのだが、「なんでその楽器を始めたの?」という質問が、一番答えにくい。
一言で言ってしまえば「面白そうだから」、ではあるのだけれど、それはものすごくいろんなことを端折った結果なので、話の始点から毎回考えてしまうぼくにとってはそのひとことが咄嗟に出てこない。
それは、去年の地震のあとのある日、急に「丸い形をした楽器を触ってみたい」と思ったのがきっかけだった。
なんで「丸い楽器」なのか、それはいまでもよくわからない。
たぶん、形が一番美しいから、とか、月のようだから、とか、後付けでなんとでも理由はつけられるけれども、そのときの、ひらめきの瞬間の気持ちはいまもってうまく説明できない。
結果的に、木でできた枠に皮を張っただけの、このとてもシンプルな「フレームドラム」という楽器に出会い、それ以来ほかのことはすっかりほったらかしてこればかり練習するようになってしまった。
言葉が巧みなひとだったら、自分の内面の説明をもっと上手にできるのだろうに。
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