2018-10-21

タジュリーシュ、シアのご家族

朝、北川宅付近のバルバリー屋さんへ。既に買い求めたひとたちは、はだかのバルバリーをスケボーみたいに構えて家に向かったりそのままタクシーに乗って仕事に向かったりしている。



北川くんと半分ずつ、うまいうまいとあっというまに食べてしまった。


北川くんが仕事に向かうタクシー(毎朝、彼の会社が手配してくれているそう)に便乗し、テヘランの北のほうにある仕事場近く、チャハールラーへ・パークウェイまで。街の雰囲気は、なんとなく渋谷の富ヶ谷付近に似ていなくもない。


北川くんにお借りしたメトロカードを使い、そこから俺一人で BRT(路線バス)Line7 に乗り、タジュリーシュに行ってみる。

バスを降りるとすぐ、街を漂う野菜や食べ物の香りを感じる。



周辺の路地裏を散策。まだ朝早いせいか人影もまばらで、起きがけのテヘランの朝がそこにあった。



バザールに入ってみる。中央に、吹き抜けになった広場があり、そこでは新鮮な野菜を売っていた。すがすがしい野菜たちが、鮮やかに香る。




チャーイに加える砂糖を棒状に加工した「ナバット」は、サフラン風味のものは日本でも買えるが、ここにはたくさんの種類があった。ディスプレイがとても美しい。




いったん表に出てベンチに腰掛けて一息ついていると、26年前に日本で働いていたというイラン人から、片言の日本語で話しかけられる。いま、イラン人が日本のビザを取るのは難しいですか?と訊かれるが、あいにくと詳しい事情を俺は知らず、答えることができない。しかし彼は「日本人はみんな優しい。当時お世話になった方の名刺、いつも持っている」と、財布から山梨県甲府市の建築事務所の名刺を取り出し、また日本に行きたい、と繰り返す。すこしだけ、同情の念が湧く。


街を歩いていると、タールとトンバクの二人組によるストリートミュージシャンに遭遇。投げ銭を払い、向かいの縁石に腰掛け、力強い演奏によるチャハールメズラーブをしばし聴き入る。




バザールに戻り、路地を再び散策していると、こんどは盲目のタール奏者がソロで演奏していた。着いた時はボテ・チンを、続いてホーシェ・チンの演奏。ああ、なんということでしょう。この方の演奏に灯る焔を感じてしまい、涙がとまらなくなってしまう。



流しのチャーイ屋さんが、盲目の演奏家に「一杯置いとくよ」と言って彼の足元にグラスを置き、投げ銭から一杯分だけのお金をもらって去っていく。演奏家は一曲終わると胸ポケットから砂糖を取り出して口に放り込み、足元のグラスを探し当てて一杯のチャーイをすすり、また演奏を続ける。


バザールに取り囲まれて建つショッピングモールに入り、イラン式ウォシュレットを試す。



実は昨夜、チャーイを注文したレストランでこれの使い方を誤り、床を水びたしにしてしまったのだが、今回、2回目にして完全制覇。もうこれで怖いものはない。


タジュリーシュからパークウェイを目指して歩き、途中、まるでちょっとしたお城のような映画博物館に寄り、バフマン・ゴバディに関する展示が「無いこと」をきちんと確認し(笑)、パークウェイ交差点にある待ち合わせのカフェに入って北川くんを待つ。




夕方、パークウェイ近くの待ち合わせ場所でシアのお兄さんと無事に落ち合い、乗り合いのバス(「バン」)に乗ってシアのお兄さん宅へ。シアのお兄さんと奥さんと娘さん二人、シアの妹さん二人、そしてシアのお母さんも集まってくださり、ホームパーティを開いてくださった。

義理姉さんが作ってくれた家庭料理はいずれも味付けが優しく、超美味。ああ、こういう料理を家で食べれるなら、たしかに外食産業って流行んないかもなぁ、と思う。



夜、日本にいるシアに服やお菓子などを、ついでに俺と北川くんもナバットなどの土産物をごっそりといただき、北川くん宅に戻る。

シアへの土産物が俺のスーツケースに入るかどうか、明日考えることにして就寝。

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