唐組公演「黒手帳に頬紅を」@新宿花園神社、千秋楽
お芝居の千秋楽、というのは、祭りの終焉を迎える様相に似ていないこともなく、華やかなんだけど、どこか寂しく感じてしまう匂いがあるように思う。
ぼくは劇団員という経験はないのだけれど、なんだか、わかるんだな、うん、わかるんだよ。
写真家・首藤幹夫氏の幻燈、というきっかけから唐組の世界を知り、その奥深さ格好よさに魅せられ、そして表現とはなんたるかをもう一度深く考えさせられ、気がついたらつごう三回、紅テントに足を運んでいたのであった。
三度目の、千秋楽を迎えた紅テントは、言語を絶するくらい、すごかった。
開演した直後から降り出した雨が、まるで過酷な試練のように、あるいは何かを祝福するかのように、容赦なく、テントの天井をたたきつける。
滝のような雨音が、テント屋根の素地に相乗効果を加えて、この世のものとも思えない轟音を響き渡らせる。
しかし、役者たちは負けちゃいなかった。
むしろ、豪雨が降りしきる花園神社の境内で、彼らは嬉々として最後の「黒手帳に頬紅を」の世界を熱演していた。
ああ、これも、表現活動に関わる者にとって、生きていてよかったなぁ、と、心の底から実感させてくれる瞬間なのであるよ。
打ち上げに混ぜて頂いたのだけれど、完全に余韻モードに入っており、なんだかうまく言葉が出てこない。
頭がぼーっとなってしまい、誰と何を話したのかよく覚えていない。
家に帰ってきて、うん、頑張ろう、と思ったよ。
1 件のコメント:
ごぶさたしておりますm(_)m
唐組さんとはユカリの無い僕ですが(あ、そういえば大昔、大学時代の芝居仲間が、しばらく唐組の看板女優をしてたことがありました)、そんなコメントを読むと、何やら我がことのように嬉しく熱くなる感じがします^^
思えば25年前、芝居なんてまるで分からず大学の劇研に入った僕が、先輩たちに最初に連れられたのが、花園の紅テントだったです。
唐組、ずいぶん前の「泥人魚」から見てないな。「黒手帳に頬紅を」、行けばよかったです。
またお会いできるのを楽しみにしとります^^
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