2009-08-24

真空管

昨日、首藤幹夫さんのスライドが観れるとのことで、山田勇男監督の「蒸発旅日記」 DVD 上映会を開催している阿佐ヶ谷・白線へ行ってきた。

会場には一時間前に着いてしまったのだけれど、首藤さんのありがたいはからいでリハーサルから拝見させていただくことができた。

で、首藤さんの「音、お願いしまーす」の声に、お店のかたが「あ、アンプの電源入れます」と言って手を伸ばしたのが、なんと真空管仕様。

おっ!

普通、こういうギャラリー系のお店の設備は民生用の AV コンポっていうのが定番だと思うけど、なんで!?という嬉しい感嘆符と疑問符の嵐である。

訊けば、お店のオーナーの一人である歸山(かえりやま)さんの趣味がオーディオだそうで、スピーカーはこれまたなんと自作品なのであった。

おおっ!!

真空管のアンプは、以前に知り合いの自宅で一度体験したことがあるけど、とにかく再生能力の許容量が素晴らしい。

原音を変えてしまうわけではなく、あくまで高音域は伸びやかに、低音域はふくよかにしてくれる、という印象。

首藤さんが今回使用した音源の一部には、以前、須藤かよさんが演奏するアコーディオンを僕が録音/ミックスしたものも入っていたのだけれど、これがもう信じられないくらい、良い。

アコーディオン特有の、「一見、ひずんでいるような」音が、いわゆる一般向けのオーディオ環境だとまさにひずんで聴こえてしまうのだけれど、、、

いやこれは、ある意味でしょうがない。

ミックス作業していた時は、ライブハウス仕様の PA スピーカーから再生させるつもりで、アコーディオン特有の倍音成分を存分に堪能できるように音を調整しているので、民生用の「ドンシャリ」型に設計されたスピーカーだと音を余分に表現してしまい、スピーカーの筺体が音の振動でビビってしまうからだ。

ところが、出力W数は民生用と同程度と思われる小さな真空管アンプの場合、そのトリートメント効果のなせるわざか、ちゃんと「楽器の音」として再生されていたのであった。

まじで感激。

まさか、ここであの音が聴けるとは。

そして、別の音源ではパイプオルガン風の音をメインにしたものだったが、倍音の雰囲気がめっちゃ最高であった。

まるで、天井からきらきらした音の結晶が舞い降りてくる感じ。

楽曲の雰囲気とあいまって、まさに神がかり的。

そして、その音にスライドをぶつける首藤さんも、なんだかノっているのが観ててわかる。

あとでご本人も言っていたけど、ほんとにノっていたそうだ。


これはもう、ここでなにかやらせていただきたいと思うのが自然でしょう、となる。

ということで、まだぼくの勝手な思い込みなのだけれど、そう遠くない時期に、阿佐ヶ谷・白線でなにかやらせていただこうと妄想に耽るのであった。


それにしても、久しぶりに、燃えたなぁ。

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