ギタリストの土屋昌巳さんが、僕がつい最近リアルで買ったテレキャスターと同じタイプの、ものすごく年季の入ったやつを弾いている。
メイプル指板で、2フレット、4フレット、6フレットの辺り、、つまり F#、G#、A# といった、普通はあまり使わない指板上のポジションが異常に汚れている。
フレットは完全に磨り減っていて、指板をスキャロップのように削ることでフレットの「盛り上がり」を強引に作っている。
指板の木目がささくれだっていて、一瞬、これでは弾きづらいだろうと思われるのだが、実際に指を這わせてみると意外とスムーズにフィンガリングできる。
ここまで弾き込まれたギターはなんて幸せなんだろう、と思う。
土屋さんに「フレットがまったくないけど困りませんか?」と訊ねると、「全然困らないよ!」と云い、ヘッドの付け根の「蓋」をパカっと開けると、そこに収納されていた着脱可能なフレットがばらばらと僕の手のひらに溢れ出てきた。
手のひらに盛られた着脱可能なフレットの山を見つめる。
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