某音楽家の新譜を聴いた。
僕の中では大作曲家という括りの中の一人なんだけど、その方の新譜は、なんていうか音響的であり、ミニマルであり、カテゴリーレスであり、DSP 的であり、そして全体的に平面的、平坦的なのであった。
上記のことだけを文字として綴ってみると、なんだか批評・批判しているみたいに思えてしまうが、実はいまこの時勢に、どんなシチュエーションにおいてでも聴ける逞しい音楽が、そこにあった。
大仰にコンポーズされた楽曲と、まったくコンポーズされた形跡が見当たらない楽曲が渾然と並ぶ様が、とても良い。
音楽は、時代性が根底に無いと、生きた作品は生まれないと思う。
技法や、メソッドや、人間関係とかのしがらみとか(苦笑)、または売れる・売れないなんていう大人の事情とか(苦笑その2)、束縛されている全てのものからいったんは解放され、作り手が時代と向き合って正直に、丁寧に作った作品には、普遍的な価値があると、思う。
ネームバリューに甘んじることなく、そういう正直ベースなところで作品を作られた彼の音楽家には、最大級のリスペクトを感じずにはいられない。
やはり、さすが、なのであった。
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