朝、チャリで仕事に向かう道すがら、とある神社の横を通るちょっとした山道で、犬の散歩をしているおじさんを見かけた。
遠目からなんだか様子がおかしいと思ったのだが、近づいてみると犬は顔を項垂れて力なく嘔吐を繰り返しており、おじさんはなすすべもなく、立ち竦んで苦しそうな犬をただ見下ろしていたのだった。
すれ違いざま、気になっておじさんに声をかけた。
「犬、苦しそうですね。どうかしたんですか」
「はあ。ああ、、うーん」
犬が吐くことに慣れているのか、それとも急なことなので対応しきれないのか、どっちつかずな返答。
「この子、年いってるんですか」
「そうね、もう10歳くらい」
「病院とか、通ってますか」
「いやあ、うーん」
やっぱり、なんだかよくわからない。
よくみると、ミニチュアシュナウザーと何かの雑種だと思われるその小さな犬には、リードも首輪もついていない。さては、なんの制限もないのをいいことに興味の赴くままあっちこっちに顔を突っ込み、食べてはいけないものでも食べてしまったか。そんなことをふいに思いついたので、「お大事に」とだけ言っておじさんたちを後にして、またチャリを漕ぎ始めた。
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