2021-09-06

トムヤムクン冷麺

早朝、猫たちに起こされるが、身体中の関節が痛んで、いつものようにすっと起き上がることができない。熱を計ると 37.4度。俺にしては高熱の域。

朝、スパイシー野菜スープ、トーストで朝餉。身体がだるすぎて調理に集中できなず。が、なんとか完成させ、強めにスパイスを加えたスープを食べて大汗をかく。

午前、録画しておいた映画を流しながら、寝たり起きたりを繰り返す。ワクチン接種の副作用に見舞われることを想定して、今日から3日間を夏期休暇にしておいた。案の定、それなりに症状が出ているので、やっぱり休みにしておいてよかった。。

昼、体温を計ってみると、36.4度、平熱。しかし身体は相変わらずだるく、関節痛もある。

昼過ぎ、ジョナサンのデリバリーを注文して、トムヤムクン冷麺で遅めの昼餉。トムヤムクンも冷麺も好きだけど、やっぱり冷麺は牛骨か鶏ガラのスープでキムチを乗せ、酢をぶっかけて食べる方がよい。。

午後、ふたたび寝たり起きたり。気を失うほどの爆睡をしたあと、急に身体が楽になった。

夕方、メールのチェックをしようと仕事用のパソコンを起動してみたら、朝からシステムに障害が発生していたらしい。休んでる時に限って問題が起きる。まさに、マーフィーの法則。脂汗を垂らしながら、障害対応にあたる。結局、休めず。

夜、就寝しようと布団にもぐったが、昨日訃報を知ったジャンダルムのマスター「マロさん」の事を考えて寝付けなくなってしまった。

最初に出会った高校2年の頃からずっと、マロさんとだけは素っ裸で向き合わなければいけなかった。
マロさんと対等に話ができた、などと思ったことは一度もない。ジャンダルムでコーヒーを飲みながらマロさんと話をした夜、俺の浅はかな部分が恥ずかしくて死にたくなったことは何度もあった。
ちっぽけな自尊心、みたいなものが吹っ飛ばされても、俺はジャンダルムから遠ざかることが出来なかった。また言葉でぶっ飛ばされると判っていても、あの急な階段を昇り、またジャンダルムのドアを開けてしまう。なんだかんだ言いながら、俺はマロさんと話がしたかった。

マロさんの言葉やしぐさには、根底には愛があった。ライブをしにくる演者、ライブの客、コーヒーや酒を飲みに来る客、友達、俺みたいな若造、誰に対してもすべからく。

ジャンダルムには、高校を出てから足を運ぶのは数年に一度になってしまっていて、最後に行ったのは2017年の9月。地元の先輩や同級生らが、ジャンダルムを盛り上げようと企画したライブを観に行った。
30年ぶりくらいにジャンダルムで見たライブは、その音の良さにびっくりした。東京で、色んなライブハウスに行って、音が悪いなぁ、と思うことが多くなり、終いにはライブハウス、という場所を敬遠さえするようになった俺は、思えば高校の頃にこんなにいい音のライブハウスで音楽を楽しんでいたのだと、改めて思い知らされた。
機材はほとんどが30年前から変わっていなかったと思う。それらの全ては、マロさん自身によってきちんとメンテナンスされていた。
バンドには良い音で演奏してほしい、お客にはいい音で音楽を楽しんでほしい、というのがマロさんの「愛」の原動力で、ありとあらゆることがそこに集約されていたのではないか。 「店のコンディションは俺が責任もつよ。だから演者のおまえも、ファンのあんたも、自分のコンディションは自分でなんとかしろよ」。 マロさんの、時には激しさを帯びたあの言葉やしぐさには、そんな気持ちが込められていた。今更になってだけれども、そう思う。

何度も恥ずかしいところをマロさんに晒し、その度に反省を繰り返し、しかしながらあの頃からあまり成長していないいまの自分が居る。マロさんに恥ずかしくない生き方、しなくちゃいけない。あの、優しさと厳しさがいりまじったマロさんの「眼」を思い出して、何年かぶりにそう思う。


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